2024年9月、ホテル業界に特化した国際的なカンファレンス「AHICE(Asia Hotel Industry Conference & Exhibition)Far East Asia 2024」が初めて東京で開催されました。
「AHICE」には、国内外のホテルグループや投資会社、デベロッパー、オーナーなどが参加し、基調講演やパネルディスカッションで活発な議論が交わされました。
その中でも特に注目されたのが、日本が「世界で最も注目すべき旅先」であり、東京をはじめとする都市のホテル業界が非常に収益性の高い市場であるという点です。
東京の平均客室単価(ADR)の成長率は、ニューヨークやロンドンの2倍にも達しており、アジア太平洋地域で最も高い総営業利益(GOP)を記録しています。
ホテルとの競争と民泊の差別化ポイント
ホテル業界のADRが上昇しているという事実は、民泊にも大きなインパクトをもたらします。
ホテルが高価格化している中で、民泊は手頃な価格で独自の体験を提供できる選択肢としてさらに注目を集めるでしょう。
このような状況下で、民泊オーナーが直面する課題は、いかにホテルとの差別化を図るかという点です。
民泊にはホテルにはない独自の強みがあり、うまく差別化を図ることが成功の鍵となります。
1. 大人数の旅行に対応できる柔軟性
ホテルは基本的にカップルや少人数の旅行者向けに設計されており、家族やグループでの旅行には対応しづらい場合が多いです。
特に、大人数の家族旅行や友人グループでの旅行では、部屋が分かれてしまうことで、旅の楽しみが半減することもあります。
一方で、民泊は一軒家や広いアパートを提供できるため、リビングルームやキッチンを共有し、旅行者同士が一緒に過ごす時間を大切にできる環境を整えることができます。
2. 長期滞在者への対応力
中長期滞在を希望する旅行者にとって、民泊は非常に魅力的です。
特に1ヶ月以上の滞在では、外食ばかりではなく、料理をして生活感を感じたいという旅行者も多いですが、ほとんどのホテルではキッチン設備がありません。
民泊なら、キッチンや食器、調理器具などを備えた施設を提供することで、長期滞在者のニーズに応えることが可能です。
自炊ができるという点で、食事にかかるコストを抑えたい滞在者にもアピールできます。
3. 地元体験とパーソナライズされたサービス
民泊はその地域ならではの体験を提供することが可能です。
ホテルが提供する「小綺麗で質の高いサービス」は確かに魅力的ですが、民泊では地元の風情やユニークな体験を旅行者に提供できるのが大きな強みです。
例えば、オーナーが現地のおすすめスポットを案内したり、ゲストに合った滞在プランを提案することで、パーソナライズされた体験を提供できます。
これにより、旅行者に「その場所ならではの思い出」を作ることができ、ホテルとは一線を画す差別化が図れます。
まとめ
「AHICE」での議論から見えてくるのは、日本の観光業界全体が今後さらに成長するということです。
ホテル業界の成長が進む中で、民泊はその独自の強みを生かして差別化を図ることが求められます。
大人数旅行や長期滞在、地域特有の体験を提供できる点で民泊は大きな優位性を持っています。
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